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【活動報告】日本と台湾における動物と災害~環境人文学の観点から~

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2026.6.30


本活動では、2026年6月15日から6月19日にかけて、台湾国立台東大学の英語学科の学生とともに、動物と災害をめぐる問題について環境人文学の観点から学習を行った。特に本活動では、日本と台湾に共通する自然災害である地震に焦点を当てた。
 両大学の参加者は、動物と災害をテーマとする文学作品や映画(台湾の『十二夜』および日本の『犬と猫と動物と2 動物たちの大震災』)について事前に学習し、大学院科目「世界の文学・文化と日本2A」内で発表とディスカッションを行った。参加者の出身国(台湾、中国、韓国、タイ、イラン、フランス、ブラジル、日本)におけるペットの飼育・保護に関する制度の相違や、動物の「声」や「主体」を表現するための方法について議論を深めた。


 震災の影響についてより詳しく学ぶため、福島県双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館を訪問した。伝承館での展示やガイドの方との対話を通して、震災の経緯や津波の被害、現在の復興状況について調査を行った。昼食時には、双葉町産業交流センターにおいて、双葉町に移住しコーヒーの焙煎所を営む深澤諒氏との交流会を開催した。深澤氏の学生時代の世界一周旅行の経験が、現在のキャリアや人々との関わりにどのようにつながっているのかについて話し合った。午後には、浪江町の「希望の牧場よしざわ」を訪問し、牧場主である吉澤正巳氏の講演を通して、原発事故が畜産農家に与えた影響と、現在でも牛を飼育し続ける意義、日台のエネルギー政策に関して意見交換を行った。


 翌日には参加者とのディスカッションを行い、これまでの学習を通して、震災が決して過去の問題ではないこと、「自分ごと」としてとらえるための想像力が必要であること、そのための人文学研究の可能性について話し合った。最後に、台東大学・張雅蘭教授の講演会”From Animal Cries to Vegetal Silence: Twelve Nights, Han Kang, and the Ethics of Care”を開催し、アニマル・スタディーズとプラント・スタディーズ、ケア理論との結び付きについて理解を深め、参加者との質疑応答を行った。


 これらの活動を通して、参加者は、日台の文化や社会について、動物と災害をめぐる国際的・学際的な視点から理解を深めることができた。また、多言語でのコミュニケーショスキルを身に付け、海外への長期留学や大学院進学、地域社会での活動など、多様なキャリアパスについても検討することができた。台湾の学生の英語力や自立した様子を知ることができた点も、参加者にとっての大きな刺激となった。今後は、台東大学への学生派遣や、これまでに実施してきたオーストラリアでの研修との関連付けなど、環境人文学の観点からの海外研修の実施について検討している。